事務所を県外へ移転・新設したら建設業許可はどうなる?「許可換え新規」の手続きと注意点を解説

石川県内で建設業許可(知事許可)を持って営業しているなかで、「隣の富山県に営業所を増やしたい」「本社ごと拠点を東京に移したい」と考えることもあるかと思います。

石川県内での事務所の引っ越し(例:金沢市から白山市など)であれば、住所変更の届出(変更届)だけで済みますが、県境をまたいで事務所を移動・新設する場合は、現在の許可のまま営業することはできません。

新しく建設業許可を取り直すような手続きが必要になります。これを「許可換え新規」と呼びます。

今回は、事務所を県外に動かす際に知っておくべき「許可換え新規」の3つのパターンやメリット、注意点をわかりやすく解説します。


目次

  1. 許可換え新規とは?3つの具体例
  2. 許可換え新規に必要な書類と費用
  3. 他県に営業所を置く(許可換え新規)の大きなメリット
  4. 許可換え新規で最も注意すべきポイント
  5. まとめ

1. 許可換え新規とは?3つの具体例

許可換え新規には、状況に応じて大きく分けて以下の3つのパターンがあります。

パターン①:全ての営業所を他県へ「完全移転」する場合

  • 例: 金沢市にある営業所をすべて廃止し、富山県内へ拠点を完全に移設した。
  • 石川県知事許可から「富山県知事許可」への許可換え新規(富山県の管轄窓口へ申請)

パターン②:他県にも営業所を「新設(進出)」する場合

  • 例: 金沢市の本社のほか、新しく福井県や東京都にも契約を結ぶ営業所を設置した。
  • 石川県知事許可から「国土交通大臣許可(大臣許可)」への許可換え新規

パターン③:他県の営業所を廃止して「1つの県に絞る」場合

  • 例: 石川県と東京都に営業所(大臣許可)を持っていたが、東京の営業所を廃止して石川県内だけにした。
  • 大臣許可から「石川県知事許可」への許可換え新規

2. 許可換え新規に必要な書類と費用

「許可換え」という名前がついていますが、手続きの実態は「新しく建設業許可を一から取り直す(新規申請)」のとほぼ同じです。

📋 申請に必要な書類・確認資料の目安

必要書類は事業形態や許可区分によって異なりますが大まかにまとめると以下の通りです。

  • 確定申告書(過去5年分)
  • 工事の契約書や注文書・請求書(過去5〜10年分 ※資格の有無による)
  • 500万円以上の資金調達能力の証明(残高証明書など)
  • 欠格要件に該当していないことの証明書類
  • 事務所としての実態がわかる写真や賃貸借契約書

⚠️都道府県による審査の違いに注意

申請先となる都道府県(石川県、富山県、福井県など)によって、提示を求められる確認資料の細部やローカルルールが微妙に異なります。事前の確認が必須です。

💰 許可換え新規の法定費用(申請手数料)

申請内容申請先登録免許税・手数料
知事許可へ変更新しく許可を受ける都道府県9万円
大臣許可へ変更国土交通省(地方整備局)15万円

3. 他県に営業所を置く(許可換え新規)の大きなメリット

お金も手間もかかる許可換え新規ですが、他県に営業所を設けることには非常に大きなメリットがあります。それが「地域要件や主観点評価において有利になる場合があります。」点です。

各都道府県や市町村が発注する公共工事では、他県の業者よりも、「自社管内に本店や営業所がある地元の業者」を優先したり、入札の点数(客観点・主観点)を高く設定したりする優遇措置をとっているケースがあります。

例えば、隣県の公共工事に本格的に参入したいと考えている場合、その県に営業所を設けて大臣許可へ切り替えることは、受注機会を増やすための最大の武器になります。公共工事は民間工事と異なり、代金の未払いや倒産リスクがないため、企業の経営基盤を安定させることにも繋がります。


4. 許可換え新規で最も注意すべきポイント

他県に複数の営業所を設ける(または移転する)場合、最大のハードルとなるのが「人(人的要件)」です。

新しく設置するすべての営業所ごとに、以下の人員を「常勤」で配置しなければなりません。

  • 常勤役員等(経営業務管理責任者など): 建設業の会社で役員(取締役など)経験が5年以上ある、令3条使用人など。
  • 営業所技術者等: 該当する業種の資格を持っている、または10年以上の実務経験がある人。

「金沢本店の専任技術者が、富山営業所の専任技術者も名前だけ兼任する」といったことは一切認められません。 それぞれの営業所に、実際に常駐して働ける有資格者や経験者を確保する必要があります。


5. まとめ

  • 事務所を県外へ移転・新設する場合は「許可換え新規」の手続きが必要。
  • 中身は通常の「新規申請」とほぼ同じで、知事許可なら9万円、大臣許可なら15万円の手数料がかかる。
  • 他県に営業所を置くことで、その地域の公共工事(入札)で地元業者として有利になるメリットがある。
  • ただし、営業所ごとに「常勤役員等」や「営業所技術者等」の常勤が必要になるため、人材の確保が必須。

石川県から他県への進出、あるいは他県から石川県への移転に伴う建設業許可の手続きは、事前の要件確認が非常に重要です。「うちのスタッフで要件を満たせる?」「いつから他県で契約できるようになる?」など、気になることがあればお気軽に当事務所へご相談ください。

いかがでしたでしょうか?要件の確認や面倒な書類集めは、当事務所が丸投げでサポートいたします。地域の窓口によって細かいローカルルールが異なりますので、詳しくは各県専属の案内ページをご覧ください。

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この記事の監修者


代表行政書士: 土井 基生(どい もとき/Motoki Doi)

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