過去の自己破産や前科があっても建設業許可は取れる?「欠格要件」のルールをわかりやすく解説

石川県で建設業許可の取得を目指すなかで、人にはなかなか相談しづらい「過去の経歴」について不安を抱えている方もいらっしゃいます。
「昔、自己破産したことがあるけれど社長になれる?」 「若い頃にトラブルを起こして前科があるけれど、許可は下りる?」
結論から申し上げますと、過去に自己破産や前科の経験があっても、一定の期間が経過している、または法的な手続き(復権など)を終えていれば、建設業許可を取得することは十分に可能です。
建設業許可には「欠格要件(許可を与えてはいけない条件)」が定められています。今回は、破産や刑罰の経験が建設業許可にどう影響するのか、その具体的な基準をわかりやすく解説します。
目次
- 過去に「自己破産」をしていても建設業許可は取れる?
- 復権(免責確定)までにかかる期間の目安
- 【要注意】破産後に「銀行融資」や「500万の財産要件」はどうなる?
- 過去に「逮捕・前科」がある場合はどうなる?
- まとめ
1. 過去に「自己破産」をしていても建設業許可は取れる?
結論として、自己破産をしていても「復権(ふっけん)」を得ていれば、問題なく建設業許可を取得できます。
💡 復権とは?
自己破産の手続きが始まると、法律上「破産者」となり、特定の職業や資格(弁護士、税理士、宅建士、警備員など)への就職・登録が一時的に制限されます。建設業の会社の役員や個人事業主として許可を受けることも、この期間は制限されます。 ※ただし、建設業の「従業員(雇われ)」として現場で働く分には、破産手続き中であっても何ら問題ありません。
この「破産者としての制限」が消え、元の状態に戻ることを「復権」と言います。復権すれば、欠格要件には該当しなくなるため、役員として建設業許可を申請できるようになります。
2. 復権(免責確定)までにかかる期間の目安
裁判所に自己破産の申し立てを行い、借金をゼロにしてもらう「免責許可」の決定が確定すれば、自動的に復権します。
復権までにかかる期間は、破産手続きの破産手続きの種類(事案の規模)によって異なります。
- 同時廃止事件:約3ヶ月〜4ヶ月 (目立った財産がなく、比較的スムーズに終わるケース。破産申請の7〜8割がこれに該当します)
- 少額管財事件:約4ヶ月〜6ヶ月 (一定の財産がある場合、破産管財人がついて調査を行うケース)
- 管財事件:約6ヶ月〜1年 (複雑な財産関係や法人の破産などのケース)
一般的な個人や小規模な事業者であれば、同時廃止になるケースが多く、自己破産を申し立ててからおよそ3〜4ヶ月程度で復権し、許可申請の土台に立つことができます。
3. 【要注意】破産後に「銀行融資」や「500万の財産要件」はどうなる?
法律上は復権すればすぐにでも建設業許可の申請が可能ですが、実務上は「財産的基礎(500万円以上の資金証明)」という別のハードルに注意が必要です。
一度自己破産をすると、信用情報機関(いわゆるブラックリスト)にその事実が登録されます。そのため、一定期間は融資審査に影響する可能性があります。
➔ 融資が受けられない場合の対策
前々回の記事「赤字決算でも建設業許可は取得できる?」でも解説した通り、融資が受けられなくても、自己資金(自己所有の預金口座)を合算して500万円以上あることを「残高証明書」で証明できれば、財産要件はクリア可能です。
自社の信用情報が気になる場合は、以下の機関へ開示請求を行うことで、1週間程度で確認することができます。
- 日本信用情報機構(JICC)
- シー・アイ・シー(CIC)
- 全国銀行協会(KSC)
4. 過去に「逮捕・前科」がある場合はどうなる?
「若い頃の過ちで刑務所に入っていた」「罰金刑を受けたことがある」というケースです。 建設業法では、以下の条件に該当する期間は「欠格要件」となり、許可が受けられません。
❌ 許可が受けられないケース(5年間の制限)
- 禁錮以上の刑(懲役・禁錮)に処せられ、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から「5年」を経過していない者
- 建設業法違反、暴力団排除条例違反、傷害罪や暴行罪などの特定の罪で「罰金刑」に処せられ、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から「5年」を経過していない者
- 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から「5年」を経過していない者
⭕ 許可が取得できる(申請可能な)ケース
上記の裏を返せば、「刑を終えてから5年(執行猶予が付いた場合は、その猶予期間を満了)が経過していれば、過去にどのような前科があっても許可は取れる」ということです。
なお、スピード違反などの軽微な交通違反による罰金刑であれば、建設業法の欠格要件には該当しないため、5年を待たずに申請できます。
申請内容については関係機関への照会等により確認される場合があります。
5. まとめ
- 過去に自己破産していても、裁判所の「免責」が確定(復権)していれば建設業許可は取れる。
- 復権までの期間は、多くのケース(同時廃止)でおよそ3〜4ヶ月程度。
- 破産後は数年間ブラックリスト(信用情報機関に事故情報が登録される)に載るため融資は難しいが、自前の預金残高が500万円以上あれば許可の財産要件はクリアできる。
- 逮捕・前科があっても、禁錮刑や特定の罰金刑を終えてから「5年」が経過していれば問題なく許可取得が可能。
「自分の過去の経歴で引っかからないか心配」「いつから申請できるのか正確な時期を知りたい」など、デリケートな法規要件でお悩みの石川県(金沢市・白山市・小松市など)の事業者様は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。秘密厳守のうえ、許可取得に向けた最適なスケジュールをご案内いたします。
いかがでしたでしょうか?要件の確認や面倒な書類集めは、当事務所が丸投げでサポートいたします。地域の窓口によって細かいローカルルールが異なりますので、詳しくは各県専属の案内ページをご覧ください。

この記事の監修者
代表行政書士: 土井 基生(どい もとき/Motoki Doi)
- 所属:石川県行政書士会
- 登録番号:第26231822号
- 対応業務:建設業許可・風営法関連・産業廃棄物収集運搬許可・農地転用 等
- ホームページ(建設業許可) https://herness-law.com/kensetu/
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