建設業許可のデメリットとは?取得前に知っておきたい注意点を行政書士が解説
建設業許可には、
- 高額工事を受注できる
- 元請会社からの信用が高まる
- 公共工事へ参加できる
など、多くのメリットがあります。(メリットに関する記事はこちら)
しかしその一方で、建設業許可には一定のデメリットや負担も存在します。
実際に許可取得後、
- 手続きが想像以上に多かった
- 維持管理が大変だった
- 毎年届出が必要とは知らなかった
という声も少なくありません。
建設業許可は、取得して終わりではなく、継続的な管理が必要な許可です。
そのため、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで取得を検討することが重要です。
ここでは、建設業許可申請を取り扱う行政書士の視点から、建設業許可の主なデメリットについて分かりやすく解説します。
目次
許可取得後も継続的な手続きが必要になる
建設業許可の大きな特徴として、「取得後の維持管理」が必要になる点があります。
建設業許可は、一度取得すれば終わりではありません。
許可取得後には、
- 決算変更届(事業年度終了届)
- 各種変更届
- 更新申請
などを継続的に提出する必要があります。
特に重要なのが「決算変更届」です。
これは毎事業年度終了後4か月以内に提出しなければなりません。
提出を忘れてしまうと、更新申請ができなくなる場合もあるため注意が必要です。
実際には、
「許可を取るより、その後の管理のほうが大変だった」
という事業者様も少なくありません。
維持コストがかかる
建設業許可には、取得費用だけでなく維持費用も発生します。
例えば、
- 申請手数料
- 行政書士報酬
- 証明書取得費用
- 更新費用
などが必要になります。
さらに、許可取得後も、
- 役員変更
- 商号変更
- 本店移転
- 業種追加
などがあるたびに変更届が必要になる場合があります。
建設業許可は「取得して終わり」ではなく、「継続的に維持費用がかかる許可」である点を理解しておく必要があります。
社会保険加入による負担が増える場合がある
現在の建設業許可では、
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
への適切な加入が実質的に必須となっています。
そのため、
- 社会保険料負担
- 労務管理
- 給与計算
などのコストが増加するケースがあります。
特に、これまで一人親方中心で運営していた事業者様にとっては、負担増を感じる場合もあります。
もっとも、近年では元請会社から社会保険加入を求められるケースが非常に多いため、建設業許可の有無にかかわらず、社会保険整備は重要になっています。
法令遵守やコンプライアンスが厳しく求められる
建設業許可業者になると、建設業法をはじめとする各種法令を適切に守る必要があります。
例えば、
- 名義貸し
- 無許可業者への丸投げ
- 虚偽申請
- 不適切な下請契約
などは、行政処分の対象になる可能性があります。
特に近年では、建設業界全体でコンプライアンス強化が進んでおり、行政指導や監督も厳しくなっています。
そのため、
「昔からこうしていた」
という感覚のまま営業していると、思わぬ法令違反につながるケースもあります。
常勤要件の管理が必要になる
建設業許可では、
- 経営業務の管理責任者
- 専任技術者
について、原則として常勤性が求められます。
そのため、
- 他社の常勤役員になる
- 別会社で勤務する
- 長期間現場へ出っぱなしになる
などの場合には、要件を満たさなくなる可能性があります。
特に小規模事業者では、人材不足によって許可維持が難しくなるケースもあります。
行政庁の監督対象になる
建設業許可を取得すると、行政庁による監督対象となります。
例えば、
- 営業所調査
- 書類確認
- 行政指導
などが行われる場合があります。
また、公共工事を行う場合には、
- 経営事項審査
- 入札参加資格申請
- CCUS対応
など、さらに管理体制が求められるケースもあります。
会社情報が公開される
建設業許可業者になると、
- 商号
- 代表者名
- 営業所所在地
- 許可番号
- 許可業種
などが公開されます。
そのため、
- 営業電話が増える
- DMが届く
- 同業他社から調査される
といったケースもあります。
それでも建設業許可を取得する会社が多い理由
ここまで見ると、建設業許可には負担が多いように感じるかもしれません。
しかし実際には、
- 元請会社から許可取得を求められる
- 高額工事を受注したい
- 公共工事へ参入したい
- 会社の信用力を高めたい
という理由から、多くの建設会社が建設業許可を取得しています。
特に近年では、
「許可業者でなければ取引しない」
という元請会社も増えており、建設業許可の重要性は年々高まっています。
建設業許可は取得後の管理も重要
建設業許可は、取得することだけでなく、取得後の維持管理も非常に重要です。
特に、
- 決算変更届
- 更新申請
- 変更届
- 社会保険管理
- 専任技術者管理
などは、継続的な対応が必要になります。
行政書士へ依頼することで、
- 届出漏れ防止
- 更新期限管理
- 法令対応
- 許可維持サポート
などを継続的に受けることができます。
建設業許可を取得するか迷っている場合には、メリットだけでなくデメリットも踏まえたうえで、建設業許可に詳しい行政書士へ相談することをおすすめします。


